Sunday, July 15, 2007

膠と漆



漆器の汁椀や塗箸などは現在でも一般的に使われているので、漆(うるし)の塗料としての価値は認められていると思う。しかし、接着剤としての用途はあまり知られていないようだし、もうひとつの接着剤、膠(にかわ)に関しては名前だけしか知らないという人は少なくないと思う。

僕は伝統工芸の職人ではないけれど、その膠と漆の以外と知られていない接着剤としての性能について少し知って欲しいと思います。

プログラマという職業柄、僕はモノをつくるのが好きなので、気が向いた時にはパンを作ったり日曜大工をします。また、最近は石油化合品は生物にとって毒だと思っているので、以前は疑いも無く使っていた「木工用ボンド」もなるべくなら使いたくないので、合成接着剤が登場する以前から使われている膠と漆を試してみようと思い、実際に使ってみてその性能に驚いた。

安物の木製家具の組み立てには、合成接着剤と共に木ネジが使用されていることがよくある。そういう家具は、しばらく使っていると接着剤が剥がれたり、木ネジが木をえぐってしまいグラグラしてくる。僕が使っている、ポールハンガーの接合部も木ネジでが使用されていたので長年使っているとグラグラしてきてもうダメかと思った。けれども、膠で木ネジがえぐった穴を固定するようにしてやったら、グラグラせずに使えるようになった。

漆も塗料だけではなく、接着剤としても使えます。 愛用している急須の口が欠けてしまったときに、最初は「アロンアルファ」で接着したけど、臭いし、お湯を使うためか、すぐにとれてしまった。いろいろと調べた結果、「金継ぎ」という方法で陶器の修復ができることを知り試してみたら、ちゃんとくっついてくれました。金継ぎとは、漆に砥の粉(砥石の粉末らしい)をまぜてできたペースト状のもので接着して、それだけだと黒く汚らしいので、金粉で覆う修復方法。漆は食器の塗料にも使うぐらいなので、お湯くらいの温度ではビクともしない。すばらしい。

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